UCCコーヒーアカデミー スペシャリストコースの「センサリー基礎」を受講した。
「コーヒーの風味の捉え方にフォーカスしたカリキュラム」と開催概要に書かれている。
期待できそうだ。
プロフェッショナルコースのカリキュラムにも、センサリーに関する講義・訓練は含まれているし、認定試験ではそれを試される。
その内容と比較しても、センサリー基礎のコースは、もう少し多彩で高度だった。
様々な訓練があるが、特に「フルーツの食べ比べ」が印象に残っている。
写真にあるような12種類のフルーツを食べて、その味をメモする。
「酸味がある」と書いてみる。
ストロベリーにも、グレープフルーツにも、パイナップルにも酸味があるが、それだけではない。
各々の風味を表現するには、さらに特徴を挙げないと区別仕切れない。
苦みもあるとか、後味とか、食感とかに関する言葉も、メモに追加する。
受講者全員が12種類のフルーツに関するメモを作ったのち、一人が自分のメモを見て他の受講者に特徴を言葉で伝える。
どのフルーツのことを言っているのかが正しく伝われば、適切に表現できているわけだ。
他の受講者の表現を聞いていると、自分のメモにない言葉も出てくる。
フルーツ名の正解が知らされた後で振り返ると、「ああ、あの感触のことを表現していたんだ。」
フルーツの場合、このコースを受講する前でも十分に味の違いは分かっている。
ストロベリーとマンゴーの区別がつかないわけではない。
しかし、その特徴を他人にもわかる「言葉」で表現する訓練は、今まで受けたことがなかった。
この訓練は、幼児が母親から、家族から言葉を学ぶ方法に似ていると思った。
一人で学ぶのは、自分にしかわからない表現になるかもしれず、効率が悪いだろう。
コーヒーの風味をとらえる際に、この訓練はどう活きるのか?
同時に複数の人がコーヒーを試飲し、その風味を言葉で表現する。(カッピング)
その時に使う言葉は、多くの人が共通のイメージを持っているものが良いので、SCAのフレーバーホイールから選んで使う。
この経験を積むことにより、特徴を的確に言語表現できるようになるし、自分の記憶にも残りやすくなりそうだ。
この訓練も続けよう。