UCCコーヒーアカデミーで行われている、ベーシックコースでもプロフェッショナルコースでも、焙煎の座学はあるが実技はカリキュラムには含まれていない。
スペシャリストコースの一つである焙煎(基礎)と焙煎(応用)を受講した。 焙煎機メーカーのショールームでの焙煎体験になる。
焙煎によるコーヒー豆の化学的変化の説明や、焙煎機の構造の説明も楽しく聞けた。
焙煎度の違いによる味の変化を比べたときに、焙煎前の生豆を挽いたものも出てきた。 青臭いというか、その辺の雑草でも煎じたものかと言うくらい、日ごろ飲み慣れたコーヒーとは別物だった。
焙煎工程がコーヒーの味を作り上げていることを、強く実感した次第。
そして、なんといっても、実技が楽しい!
これまで、コーヒーに関する所作は、自分の肩幅の中に収まるものが多かった。
抽出時に扱う豆は20g程度で、お湯は200mLぐらい。
そう、机の上で行う比較的静かな動作ばかりだ。
ところが今回の焙煎体験では、kg単位の生豆をボールに入れ、それを身の丈よりも高い位置にあるホッパーに豪快に流し込む。
予熱され、規則正しく回転しているドラムの中で、豆が撹拌されている。
焙煎機から出る熱を顔で感じながら、燃焼ガスの流量と排気ファンを調整する。
テストスプーンを抜き、目と鼻で豆の状態を感じ取る。
豆が爆ぜる(ハゼル)音を聞き逃してはいけない。
PCの画面に焙煎窯内部の温度が時々刻々表示されるが、それだけでは判断できない。 五感を総動員して豆の様子を探りつつ作業を進める。
いや、五感ではない。焙煎の作業中は「味覚」に用はないから。
焙煎の終わりはタイミングが肝心。
窯を開けて冷却槽に豆を流し込む。 見慣れたコーヒー豆が現れる。
焙煎が重要な工程であることは良く分かった。
いや、なにより、大きな機械を使ってコーヒーを作り上げる作業がとても楽しい。
今後どうのように焙煎に係ろうか?
手ごろな焙煎機があるかどうか、調べることから始めよう。