定年まであと半年となる2023年の秋に、自分用のオフィスを探して青山一丁目あたりをうろついていた。
とあるビルの1階に、通りに面したガラス張りの一角があり「UCCコーヒーアカデミー東京校」とある。
仕事柄、教育関連の施設には興味があるが、さて、何を教えてくれるのだろう?
UCC 上島コーヒーは日本のコーヒー業界最大手で、個人向け商品以外にも業務用商品を沢山扱っている。
喫茶店を開業する人向けにトレーニングを行う施設ではないかと、想像してみた。
通りかかったときにはそれ以上考えなかったが、ネットで調べたりするうちに、これは面白いかもしれないと考えるようになる。
UCCは大企業だから、商品を企画する人、開発する人、製造する人、営業をする人など、社内に様々な役割を持った人達がいるだろう。
その人達が自社で販売する商品について、バラバラの評価をして良いはずがない。
新製品の特長、他社製品との違いなどについて、担当者によって別々なことを言うようでは、客は混乱してしまう。
価格や不良率など数値化できるものは、複数の担当者間でも共有することは容易だ。
では人の主観によるところが大きそうなコーヒーの風味について、複数の人の間で統一的に評価する方法があるのだろうか?
美味しいコーヒーの淹れ方を習うだけではなく、風味を評価する手段そのものも学んでみよう。